長い間活字を読まないと読む力がなくなっていくってことで、思い立って図書館に行ってきました。
図書館、原稿とか資格勉強のためにはよく行くんですけど、ちゃんと図書館で本を読んだのは久しぶりですね(資料としてはよく借りるんですけど)
高校生の頃は図書室日参してて司書の先生に顔覚えられてたくらいだったのですが、大学図書館はアカデミックなものしかなかったので読む量が減って……
最近ソシャゲのストーリー読むのすらつらくてほとんど飛ばしちゃうので、そのへんの力鍛えたいです。
読書量また増やしていきたいです。インプットのためにも。
ネタバレありです。
「クラゲアイランドの夜明け」
2時間くらい?
最近近未来に興味があって、SFとかディストピアっぽいものを読みたかったのです。
今日(昨日)母親の入院と手術が決まって、そのへんもナイーブになっていたところに「誰だって死にたくなるものだよ」(うろ覚え)って帯に惹かれました。
まず、私は美醜の格付けが地雷で、生まれつきの美人が必要以上に得をする展開が苦手なんですけど、モデルの子は出てくるのですがちゃんと正当に苦労してたり、性格で釣り合いが取れてたのが良かったです。気が強い苦労人美人は大好きです。
主人公の「誰かと対立したくないから意見を持たない。」って思想、わかりみが強くて、現代社会ってなかなかそういう立場にいるの難しいんですよね。でも『楽園』では主人公みたいな生き方でも全然生きていけるのが、まさに「楽園で生きるクラゲ」って感じでした。
主人公をクラゲに例えたときに、やっぱりミサキがナツオ(主人公の名前)クラゲってつけた理由につながるんだと思うんですけど、どうして繁殖力も高くて猛毒を持つ凶悪なクラゲにそんな名前をつけたのかと考えたら、じわじわと増えていく感じがまさに「ミサキを事故死だと思っている人たちが、だんだん主人公に感化されて自殺だと信じていく」様子と重なっていて、ナツオのことをよく知ってるミサキがそれを見越してたからだと思いました。
「本土」と「楽園」の思想の対立からも、ナツオのふわふわした感じは結構際立つなと……
あと、「7つのゼロ」を掲げる楽園にとって、スドウも示していたように、本当はないはずの自殺を2件も裏付けたナツオの存在は完全に「猛毒」で、ナツオがどこかのモノローグでミサキは自分の行動がなんでもお見通しだって言ってたからそれも見通してたんだと思う
ナツオが怒るシーンも何かの隠喩じゃないかなって思うんだけど、なんなんだろうか……
ミサキとナツオのお互いの間に恋愛感情が一切ないのが新鮮で心地よかった。ミサキは家族のこともあるから、ナツオからの恋愛感情に気づいてたら、または自分がナツオに恋愛感情を持ってたら、クラゲにナツオの名前は付けなかったと思うなあ
余談だけど、後藤ソウマが斉藤ソウマに見えて2度見したのは内緒です
ミサキが自殺した理由がよくわからない、って言われてるけど、これから自分が生み出したクラゲでたくさんの死人が出て、そのせいで尊敬する母親のせいにされたり大好きな父親や姉の居場所を奪うことになるから、それに耐えられなかったってことでいいんじゃないかな
あと、もしかしたら殺人クラゲに親友の名前をつけた罪悪感もあるのかも
ラストの不完全燃焼感は、意見を持つことを避けてきたナツオがミサキの遺言どおり世界を滅ぼすか、それとも何もせず生きるか、どちらかを必ず選ばなきゃいけないわけで、そこにいつもみたいな曖昧な意見を持たせないっていうナツオの成長を示唆してると思いました。世界を敵に回すか、ユートピア追放されても自殺の真相が知りたかった友達を裏切るか、どっちにしろ敵が出るもんね
行動した人間ほど損をして、何もしなかった人間は得をするってこと割とあるからつらいなあってお話でした。
現実なんてこんなもので、常に曇り空みたいな微妙で曖昧なんだよね〜
あと料理描写がどれもおいしそうだった
読書感想文昔からすげえ苦手だったけど今もとても苦手だな!?
どうでもいいけど、読書感想文で毎年賞入ってた子、特に読書家とかではなかったから不思議だったなあ